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Brighture English Academy 代表。趣味はウクレレとかハイキングとかDIYとか旅行などなど。在米20年。シリコンバレーに住みつつ、日本とアメリカとフィリピンで会社経営しています。最近は英語教育がライフワークになりつつある。

2012年4月10日火曜日

小飼弾氏の書評を読んで感じたこと

小飼弾氏という超有名なブロガーがいます。私も氏の「404 Blog Not Found」というブログを頻繁に読んでおり、ここで紹介された本を買ってしまったことも1度や2度ではありません。

さて、本を出版する際は数十部の見本誌が印刷されます。これはマーケティング目的で各所に配布されたり、出版に協力して頂いた方に配ったりするための本です。

今回「僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる」の出版に際しても、30部ほどの見本誌が刷られました。編集部の方に「この本を送りたい先はありますか?」と聞かれ、畏れ多くも小飼弾氏に送って頂くようお願いしました。

すると今日、なんと驚いたことに小飼弾氏のブログに私の本の書評が掲載されました。これです。

責任者出てきた - 書評 - 僕がアップルで学んだこと

非常に好意的な書評を書いてくださり、感謝の至りです。と同時に、この方鋭いな、と感じ入りました。

小飼氏、アップル社内での「個人責任」と「権限」の在り方に着目しました。これ、非常に重要です。団体責任なんてアップルではあり得ません。そして、私は「個人責任」というキーワード、沈みゆく日本メーカー群、ひいては日本そのもの再生にとって、最も重要なキーワードだと考えています。

個人個人の当事者たちに「責任」と「権限」をセットで渡すこと。その上で責任を厳しく問うこと。これ、非常に重要です。今の日本の多くの企業では、たいした責任も問われない代わりにろくな権限も与えられていないのではないかと思います。例えば福島の原発事故を見ても、誰が責任者で、どういう過程で何が決定されているのかも今ひとつ外部に伝わりません。またあれだけの事故を起こしておいて誰の首が飛ぶわけでもありません。東電の社員で、世間にある程度顔が見えたのは現場に踏みとどまった吉田所長だけでしょう。原子力安全・保安院なども他人事といった面持ちでした。しかし逆に責任感とプライドを感じさせてくれたのは、事故の当事者ではない決死の放水作業をした東京消防庁の方達だったりします。なにかが根本的に間違っている気がしたのは、私だけではないでしょう。

ソニーにせよホンダにせよ、創業し成長する過程では、責任を背負い込んだ創業メンバーたちが自分たちの裁量で踏ん張り続けたのだと思います。でもいまやそんな緊張感を保ち続けている企業、数えるほどしかないような気がします。

さまざまな再生のキッカケは、おそらく「責任」と「権限」を当事者たちに渡すところにあります。

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PS:本を買ってくださった方、また興味を持ってくださった方たちと交流の場を設けたいと思い、Facebookページを設けました。よろしければ訪れてみてください。

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