2015年12月25日金曜日

人生は偶然が8割


 人の一生って、いったい何が決めていくんだろう?

 様々な要素があるに違いない、運命、偶然、努力、才能などなど……。自分の努力や才覚でどうにかできることよりも、自分ではどうにもできない要素の方がずっと多いのかもしれない。

 2015年はそんなことを何度も考えさせられる1年だった。

人生を変えるもの
 僕はもう49歳で、アメリカに移って13年になる。数年前までずっと突っ走ってきたけど、数年前から急に手詰まり感が出てきた。年齢的な焦りもあった。何か大きなチャレンジをするのは、多分もうあと1、2回しかチャンスがないと思われるのに、いったい何をしたいのか、何から始めればいいのかさえ定められなかった。

 ところがそんなある日、たまたま近くで銃撃事件があり、経営している保育園を閉鎖せざる得なくなった。暇を持て余していると、スティーブジョブズが亡くなったとアップルに勤めている友人から連絡があった。そしてジョブズの話をブログに書いたら、カウンターが壊れているのかと思うほど読まれた。それがキッカケとなって、2ヶ月後には本を出版していた。

 すると今度は講演依頼などが来るようになり、そこからさらに新しい機会に恵まれ、新しい知り合いの輪が広がっていった。少しずつ手詰まり感が解れていった。まだ新しいチャレンジは見つからなかったが、もっと「意識的に偶然を作ってもいいのではないか?」と思い始めていた。

 人に会うたびに、偶然が続き続けた。最初の偶然は森山たつをさんとの共同講演で目にした、とあるフィリピン語学学校の紹介ビデオだった。次の偶然は知り合いの息子さんだ。その子がたまたま森山さんが紹介していた学校に留学し、詳しく話を聞くことができた。さらなる偶然は、京都で借りた講演会場だった。なんとそこのオーナーの方が、フィリピン語学学校の日本側の窓口をしていたのだ。

 フィリピンに呼ばれている……。そんな気がした。ここで面倒臭がってはいけないと、実際にフィリピンに足を運んでみたら、中西くんという、若き良きパートナーに巡り会えた。こうして不思議な偶然が重なり続け、次にやりたいことの輪郭がクッキリと見えてきた。そしてその9ヶ月後、僕らはBrighture English Academy を設立した。

人生は偶然に満ち満ちている


 そもそも銃撃事件のおかげ(?)で暇を持て余している日にジョブズが亡くなるという偶然がなかったら、これらすべてのことは何一つ起こらなかっただろう。そして考えてみれば、僕らの一生は偶然に満ち満ちている。例えば、この豊かな時代に日本人として生まれた偶然。たまたま入学試験の日に風邪をひいてしまうこともあれば、街で偶然見かけた女の子と恋に落ちることもあるだろう。

 しかし、偶然にうまく乗れる時もあれば、落ちて痛い思いをすることもある。それどころか偶然が強くなり、全てが予定調和通りに進んで欲しくて、ひたすら下を向いて過ごしてしまう時さえある。同じ会社に留まって先がないと分かっていても、飛び出すのが怖くて「今のままでいい」と自分に言い聞かせてしまう。その一方で、何か都合がいい偶然が起きるのを、心のどこかで期待してしまうのだ。

棚ボタの偶然はない
 でも、漠然と待っていたって、都合のいい偶然はそうそう起きてはくれない。僕ら自身が偶然を求めないと、決して巡ってきてくれはしないのだ。そんなことを考えていたら、世の中にはすでに同じことを考えていて、本まで出している人がいた。


オリジナルはこちら。



 著者のクランボルツ氏、スタンフォード大学の心理学の教授で、この理論に”planned happenstance Theory” 「計画された偶然性理論」という名前をつけている。そして、
その理論は、どっかから棚ボタ的に幸運が落っこちてくるのを待とうなんていう話じゃない。

1)人生の成功は、予期しない偶然によってその8割が形成される。

2)ただ偶然を待つのではなく、自分にとって良い偶然が起きやすくなるように行動したり、偶然が起きそうな気配を敏感にキャッチすることでラッキーチャンスを増やすことができる。

3)その偶然を、当人が積極的に活用し努力して、成功へつなげていく。

 これが、「計画された偶然性理論」の3つの柱だそうだ。そしてこの理論をモノにするには、次のような資質が必要だという。

好奇心:なんでもとりあえず興味を持ってやってみる
持続性:困難や失敗に直面しても、粘り強く努力を続ける
楽観性:「必ずうまくいく」「できるはず」とポジティブに考える
柔軟性:自分の考えに凝り固まらずに、その時その場で臨機応変に対応する
危険性:多少のリスクは承知でやってみる
参考:http://magazine.gow.asia/love/column_details.php?column_uid=00000610

 考えてみれば当たり前の話だ。転職や起業や、あるいは異性との出会いにだって、そのまますっぽりと当てはまるだろう。「給料がこのくらいじゃないと……」と「気が利いて美人じゃないと……」なんて最初から条件をつけていたら、チャンスがどんどん狭まってしまう。

出会いを増やす
 僕自身のこの数年間を振り返って思うこと、それはつまるところ、人との出会いを増やすことの大切さだ。日頃のルーティンから離れて、出会いを増やしていくと、たとえその時にはどうということがなくても、新しい視点を得たり、アイデアが湧いてきたりすることもある。具体的なビジネスや、新たな友情や恋愛に発展することもあるだろう。

 あるいは、自分が興味がなかったことをやってみるのもいいだろう。食わず嫌いではそれこそ機会を逸してしまう。向いてる向いてないは、一度口に入れてから判断すればいいのだ。

 同じ仲間と、同じモノを食べ、同じモノを見て、同じ体験を積んでいく暮らしの中には、確かになんとも言えない安心感がある。でも、それだけではチャンスが巡って来ることなんてないのだ。

 2016年もまた、出会いを増やし、チャンスを増やしていこうと思う。偶然の神様は、出会いの中にしかいないのだから。