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Brighture English Academy 代表。趣味はウクレレとかハイキングとかDIYとか旅行などなど。在米20年。シリコンバレーに住みつつ、日本とアメリカとフィリピンで会社経営しています。最近は英語教育がライフワークになりつつある。

2014年10月24日金曜日

未来の社会はキモチで回る

超久しぶりにブログ更新です。この頃は実業のほうがあまりに忙しく、ブログやTwitterはずっと放置状態です。一段落したら、またちょくちょく更新しましょう。


さて、これまた久しぶりに本を出しました。これは、6月にあっちこっちでやった講演を書き起こして、大幅に加筆したものです。講演はいずれも好評で、ちょっとこのままお蔵入りさせるのはもったいないと思ったので、大幅に加筆した上で、一冊の本に仕立てました。

cakes で「IT時代の未来〜それはユートピアかディストピアか?」と題した連載を1年ほど書かせていただきましたが、これが下敷きとなり、今年の6月の講演へと繋がり、それがまた今回の電子書籍へと繋がったような格好です。


 そう言えば元々このブログで書いた記事が、最初の書籍に繋がり、そこから2冊目に繋がり、そこから知り合った大石さんと対談をした内容が3冊目に繋がり、1、2冊目の出版に携わって頂いた方の紹介で、cakesの連載に繋がったのです。そしてそこから講演へ繋がり、さらに今回の書籍です。そのときその時の出会いの連続で、人生って段々出来あがっていくんだな、って強く感じる今日この頃です。

 現在僕は、新しい事業の仕込み中です。これもまた、この2年間ほどの間の出会いがキッカケになって繋がってできてきたものです。これからもまたいろいろな出会いがあるんだろうな、と思うとワクワクします。

 この本を仕上げながら、あるいは現在新しい事業の仕込みをしながら思い出したこと、それは「考えるな、感じろ」(“Don’t think, feel”)ブルースリーの名言です。そのときそのときに流れてくるチャンスや縁があり、考えすぎるとそれらを掴めないような気がします。

さて、この新しい本に話を戻しましょう。本書では、「これからの時代はどうなっていくのか? 僕たちはこの激動の時代をどう生きていけばいいのか?」といったことを真剣に考察してみました。講演で出たたくさんの質疑応答も収録。いろいろな疑問や懸念に答えていく中で、未来の輪郭がボンヤリと見えてきたのではないかと思います。

僕が考える未来、それは人々のキモチが、何よりも価値を持つ時代です。そして、その「キモチ」そのものが社会を回す原動力となって行くでしょう。キモチを糧にするビジネスがどんどん栄えていきます。どうしてそうなってしまうのか? そして、そんな時代をどうやって生きて行ったらいいのか? そんなことをまとめた一冊です。

お楽しみください!










2014年9月7日日曜日

簡単バーゴラを作ってみた

久しぶりのDIYです。

週末を2、3回潰して、こんなバーゴラを作ってみました。


DIYってどうしてこんなに面白いんだろう?

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まず4X4の柱2本をコンクリートで立てて





さらに補強


横木を渡して

ここから5度の傾斜をつけた材を張り出し

補強して

2X4数本を縦に切り

打ち付けて終わり!

完成です。



材料費、多分全部で100ドルくらい。面白かった!

さて、キューイでも植えようかな?









2014年8月28日木曜日

カプチーノ味のポテトチップス

私はもっぱらコーヒーが好きで、特にカプチーノなんて大好物です。あのミルクの泡立った感じ。エスプレッソの香り。う〜〜〜ん。おいしいですよね。




 それからポテトチップスも大好きです。こっちはどっちかというと塩っからいのと、ザクザクとした歯触りが大好きです。とくにKettle の Krinkle Cut Salt and Fresh Ground Pepper Chipsというポテトチップスはその食感が大好きで、ついつい買ってしまいます。米アマゾンでも非常に高評価ですね。


 さて、アメリカの大手ポテトチップスメーカー Lay's が、なんとカプチーノ味のポテトチップスを発売しました。一体どんな味なのかと昨晩買ってきましたが、あまりの怖さに一番小さい袋にしてみました。(と言っても日本の普通サイズくらいありますがw。)

ジャジャーン!


いよいよ試食。ナプキンを広げて出してみます。

さてどんな味かというと、

「なにか大きく間違ってしまったテラミス」


といった感じでした。カプチーノ風味そのものは決して悪くないと思ったけど、ホテトチップスのサクサク感や油っこい感じと、カプチーノの風味がどうにもマッチしません。あまりのマズさに、食べた後に私はすぐさまオレンジジュースを2杯飲みました。息子のほうはうがいして歯を磨いていました。

ちなみにアマゾンの評価もかなり低いです。


これ、お客様から公募したフレイバー2000種類ほどの中から、投票で選ばれた4種類の味のひとつだそうです。
その4種類とは

カプチーノ風味
チェダー・ベーコン・マック&チーズ
ウェイビー・マンゴー・サルサ
ケトルクックト.わさびジンジャー

だそうです。う〜む。



どうしてこの4つがえらばれたのか?他の1996種類の味はいったいどんなのがあったのか? また、この4種類ぜんぶ食べてみるべきなのか…… 悩みますねw。


2014年7月25日金曜日

急がば回れなんだよなあ


 僕がまだ小学生だった頃。

 算数は得意な教科のひとつだった。特に難解な文章題が大好きで、誰にも頼まれてもいないのに、兄貴のお下がりの問題集から、難しい文章題ばかりを選んで解いていたっけ。

 そして中学に入学。英語の授業が始まった。英語もけっこう得意なほうで、中2の終わりくらいまではしっかりとよくわかり、テストもそこそこの点数だった。

 ところが、数学も英語も、中学のどこかでボタンを掛け違えたみたいだった。数学は、因数分解ぐらいからだったかな? なんだかよく分からなくなってしまったのだ。英語のほうは現在完了くらいだったからだろうか? ちょうどその頃にグレ始めたのと相まって、どちらの教科もなんだか「????」という状態になってしまったのだ。授業が途端につまらなくなり、授業中に目を開いて起きているのさえ困難になった。テストを受けるたびに点数が下がり、僕はドンドンやる気を失っていった。

 この2つの教科は、どちらも積み上げるタイプの教科だから、一度つまづいてしまうと修復は実に難しい。一カ所でも分からないところがあると、うまく積み上がっていかないのだ。そして高1の頃にはどちらの教科も、もうすっかり分からなくなってしまった。英語と数学の成績は、それぞれ10段階で3にまで落ちた。ここまで落ちてしまうと、もう完全にお客さんで、授業なんてまったくチンプンカンプンだった。いつもただ窓の外を眺めたり、ノートに絵を描いたり、眠りに落ちたりして時間をやり過ごした。

 この3年後にはなんとか大学進学を果たしたわけだが、なんでそんなことができたかというと、分からなくなったところまで戻ってやり直したからだ。高校2年を2回やるハメになった僕は、2回目の高2のときに思い切って分からなくなったところまで戻って、全部やり直してみた。数学は因数分解から。英語は中3で完了形が出てきたあたりからだった。

 結局、ある単元で分からない部分が一カ所でもあると、次の単元は前の単元を理解していることを前提に進められるから、分からない部分がさらに大きくなっていく。現在完了形をはずすと、そのあとに出てくる完了進行形も、過去完了形もわからない。こうしてあっという間に分からなくなってしまうのだ。

 一度やり直して、つまづいたところが理解できたら、ようやく授業が分かるようになった。やり直しにかかった時間はせいぜい3ヶ月ぐらいだったろうか? こんなことなら、もっともっと早くやればよかった。

 そんなわけで、今チンプンカンプンになっている若い人たちには、「わからなくなったところまで戻ってやり直してみ!」って言ってやりたい。結局最短距離だし、こうしてやり直したおかげでアメリカの大学で情報処理と数学を専攻できた。アップルでも働けたしね。

 分からないところは隠すんじゃなくて、「分からない」って認めて取り組んだほうが結局早いね。仕事も勉強もこれは同じこと。あの頃はプライドばっかりのアホだった。まあ結果オーライだったからあまり気にしてないけど、もうちょっと成績がよければ、もうちょっと明るい気分で学校に行けただろうな。分からないことを分からないままに学び続けるって、ただ苦痛なだけだもんね。

結局、急がば回れなんだよね。面倒くさがっても、あんまりいいことってない。

そんなことを学んだ、貴重な4年間の高校生活でした。







2014年6月25日水曜日

新宿で講演やります!

ご無沙汰してます。

なんと4ヶ月ぶりのブログ更新。最近はcakes にて2本の連載を書いており、その他に本も書いて、さらに本業もあるので、ブログの更新もままなりません。

さて、きたる6月27日、新宿にて講演をします。

題して

松井博講演会〜僕らが生きる未来の話 in 新宿


です。


モノのインターネット、ビッグデータ、クラウド、人工知能、AR, ウェアラブル、Brain Machine Inerface….…。新しいテクノロジーたちは、僕たちの世界をどんなふうにつなぎ、未来をどんなふうに変えていくのだろう?

「企業が「帝国化」する」を執筆以降、ずっと考え続けてきた僕らの未来図が、ようやくカタチになってきました。

僕らの未来はユートピアなのかデストピアなのか? 惜しみなくお話します!

場所:ホテル・サンライト新宿 会議室C
〒160-0022 東京都新宿区新宿5-15-8


時間:19:00〜20:30

申し込みはこちらからどうぞ!

http://peatix.com/event/41156

それでは当日お会いできるのを楽しみにしています!




2014年2月26日水曜日

横からの目線

 ずっと前から「褒めて育てよ」ってなんだかおかしいと思っていた。

 4年前にこのブログで、「褒める」っていう行為は、「褒める」ことで相手を操作しているのに過ぎない、というようなを書いた。それに「褒められる」ことを目的に振る舞うってなんだか卑しくないか? というようなも。

 「叱る」という行為も、「褒める」がひっくり返っただけのことで、実は同じことなのだ。このことについても、以前書いたことがある。「褒める/叱る」という行為は、どっちがすぐれているという訳でもなく、コインの裏表なのだ。要するに褒めてコントロールするか、叱ってコントロールするかというだけのお話。つまりはアメとムチなのだ。どちらとも何かがおかしい。

 そして、おかしいと思っていたのに、どうしていい分からずなかなかヤメられなかった。

目線の高さはどこなのか?
 では何がおかしいんだろうか? それは、目線の高さがおかしいのだ。褒める/叱るという行為は、自分が相手よりも偉いとか、優れていると思えるからこそできるのだ。要するに上から目線なのだ。そしてそんなアプローチが、思春期の子供たちに響くはずもない。いや、思春期だけに限らない。大人にも子供にも響かないのだ。褒めるのも叱るのも、ただの条件付けなのだから。

 友達を褒めて誘導するだろうか? 叱って誘導するだろうか? するわけがない。友達は対等な関係であって、誘導なんて失礼すぎてできないからだ。忠告はするだろうし、嫌な思いをさせられたら怒りを露わににするだろう。でもそれは叱るのとは違う。
 友達を褒めるときには、心から感心した時だけだろう。「お前。すげえなあ〜〜!」って。そこにあるのは純粋な感動であり、尊敬の気持ちだ。子供を褒めて伸ばそうとするような、誘導的なものとは全く質が異なる。そして心に響くのはそういう対等の目線なんだ。

上から目線じゃなくて、横から目線を!
 子供や部下に接するときに、必要なのは上から目線なんかじゃなくて、友達に接する時のような「横から目線」だ。ちょっと視点を変えれば、そんな視点で子供や若者や部下に注ぐことは別に難しいことでもないはずだ。

 子供と大人の本質的な違いは、大人の方が早く生まれた、という部分にしかない。そして早く生まれたからといって、別に大人の方が偉いわけではないのだ。そりゃ少しは経験値が高いだろう。でも経験値が高いから、人間的に偉いわけではない。同じ山を登る相手が、10時間早く出発したからといって、自分より偉い訳ではない。そいつは早く出発した分、どこが大変か、ペース配分はどうしたらいいか、少し先に知見を得るだろう。でもそれだけのことだ。

 4年前にブログを書いたときに出なかった答えがようやく出た。
 横から目線で接したとき、褒めるのも叱るのも、まったく質の違ったものとなる。それは誘導なんかではなくて、忠告になるし、賞賛になるし、対話になる。

 自分が下山するときに、これから登る人とすれ違ったら上から目線で接するだろうか? するわけがない。怪我しないように気をつけて、楽しんでこいよ、って思うだけだ。自分の経験をシェアしてあげる。できることはそれだけしかない。それはその人の登山であって、俺の登山ではない。その人はその人の好きなように登ったらいい。

 そんな当たり前のことに気がつくのに、20年ぐらいかかっちまった。子供は成人ぎりぎり。でもまあ気がつかないよりはよかったかな?

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そんなことを考えさせてくれたのが岸見 一郎 , 古賀 史健著の「嫌われる勇気」です。ぜひ手に取ってみてください。おすすめです。この本については、また違う角度から書いてみたいと思います。





 

2014年2月17日月曜日

新生ロボコップ、なかなかどうして魅せてくれました

今しがた「ロボコップ」リメイク版を見てきました。

いや〜。素直に面白かった。是非多くの人に観てもらいたいです。



 まだ日本で未公開なのでネタバレはなるべくしないように気をつけつつ。ちょっと感じたことをいろいろと綴ってみましょう。

あらすじは……
 2028年、オムニコープ社は米軍にロボットを提供。海外のあちらこちらでロボットが治安維持や戦争目的で使われている。そんな時代設定の中、物語は始まる。

 オムニコープ社はアメリカ国内でも治安維持のためにロボットの投入を行いたい訳だが、世論は警察官がロボットになってしまうことに強く反対している。なんとか世論を変えたいオムニコープ社。そこで純然たるロボットではなく、瀕死の重傷を負った刑事を改造し、ロボットと人間を合体させたサイボーグを創り上げる。

企業論理に強烈な既視感が……
 細かい話はネタバレになるので割愛なんだけど、僕はこのオムニコープ社がプロパガンダやロビー活動によって法律改定をもくろむ過程がけっこう面白かった。アップルで働いていた頃、どうやったら中高生にiPodの購買層として取り込めるか、みんなでいろいろと知恵をしぼったっけ。iTunes カードやら廉価版のiPod シャッフルの発売などなど。たくさんの会議を懐かしく思い出した。

 また1年ほど前に出版した「企業が『帝国化』する」の中で紹介した企業のロビー活動や企業論理の実態と、この映画の中のオムニコープ社のやっていることは大差がない。儲かれば何でもいい。邪魔するものは法律を改定してでも排除する。子供の病気が増えようと、環境が破壊されようと知ったこっちゃない。残念ながら、これが「企業論理」なんだよなあ……。別にアップルが悪い会社という訳でもなく、まあ企業というものはどうしてもこうなっていくんだよな、ってことを思い出させてくれました。

信じられる未来の設定
 この新生ロボコップが提示する未来は、どれも今現実に存在するテクノロジーの延長線上にあって、十分信じられるものでした。もっとクラウドを利用しろよ、とか思ったシーンもあるんだけど、ネタバレになるので割愛。

 それからみんなスマホを使っているんだけど、この頃にはもっと進化してスマホ以外の何かになっている気がする。それからまだ人々が車を運転してるけど、今から14年後なら自動運転がかなり普及しているだろう。

 ロボットが治安維持にあたるという設定も、意外なくらい違和感がなかった。僕らが生きる2014年の現実の世界でも既にドローンが実戦に投入されているし、自立型の戦闘ロボの研究も着々と進んでいる。だからこんな未来は決して荒唐無稽ではない。むしろ「人間がやるべきことってなんだろう?」っていろいろと考えさせられました。

それから今度のロボコップは車ではなくバイクに乗っている。そしてこれが良かった。スピード感のあるアクション。ロボコップと融合したかのようなバイク。カワサキのニンジャがベースらしい。俺もニンジャ乗りなので、けっこう嬉しかったり。

人間らしさって、なんだろう?
 人間の営む葛藤に満ちた日常は、実はそれ自体非常に価値があるものなんだな。愛、友情、人として間違った行為、苦しみや悲しみ。いろいろな実に人間らしいドロドロとした内面が上手に描かれていて、人間に対していとおしさを感じさせてくれました。

 久しぶりにブログを書く気持ちにさせてくれた、なかなか魅せてくれる映画です。是非ご覧あれ。






2014年1月20日月曜日

人生はクラウドに任せろ!

 Amazonがアンティシパトリー・シッピング(Anticipatory shipping)というわけの分からない特許を申請中です。Anticipatory っていうのは「先読みして」とか「先行して」と言った意味ですから、これはつまり「先読み出荷」という訳です。

 Amazon様は、僕らのサイト滞在時間とか欲しいものリストや、購買傾向が似通った客の情報などを解析して「おすすめの商品」を表示してくれますが、あれをもう一歩進めて、実際に注文が確定する前に最寄りの配送所まで商品を出荷しておこうというわけです。すると注文が確定したらその日のうちに品物が玄関先に届くようになります。

 確かに、アマゾンでお届け予定日を見て、「こんなに待たされるなら自分で買いにいこう!」ってなってしまうこと多いですから、もしもお届け予定日が同日だったら、アマゾンで買うもの、ますます増えるでしょうねえ……。そして配送所から自宅までの最後の1マイルはコチラの出番です。



 もう限りなくSFの世界ですが、やがてこんなのが空を飛び交うようになる日もそんなに遠くないのかもしれません。

お母さんロボも目前?
 前回のネストのサーモスタットもそうだし、この先読み出荷もそうですが、クラウドが僕らの先回りをして世話を焼いてくれる時代は、もう目と鼻の先です。おすすめ商品どころか、これからもっともっとクラウドが世話を焼いてくれるようになるでしょう。僕らは煩わしいことは機械に任せて、人間だけができる、人間らしいことをすればいいんです。

 じゃあ人間らしく本を読もうかな? ちょうどアマゾンが面白そうな本をお勧めしてくれたし。音楽を聴こうかな?  iTunes が新しいアルバムをお勧めしてくれてるし。 映画を観ようかな? Netflixのおすすめに新しい映画が入ってるし……。

 そのうちね、歯を磨けとか糞しろとか風呂は入れとか言われるようになりますよ。って思ってたら、もうそういう商品が登場してました。その名も「Mother」。






「おすすめ」の人生もいいんじゃね?
 さて、人間はいったい何をするんだろう? ただただ「おすすめ」に従って生きるのもそれはそれでお気楽でいいのかも知れません。日本人の多くはどうせ空気読んで周りと同じように振る舞ってるんだから、「空気」が「アマゾン」や「グーグル」になるだけの話と割り切ってしまえばそれはそれかもです。

 多分「おすすめ」のほうが、昭和の頃にみんなが信じていた「いつかはクラウン」とか、「郊外に一軒家」とか、「良妻賢母」なんかよりよっぽど的確でしょう。そのうち出会う異性も「先読み紹介」でマッチメイクされるようになったりして?

あれ、そういえば人間だけができる人間らしいことってなんでしたっけ?

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ビッグデータってなに?ってかたはビッグデータの覇者たち (講談社現代新書) をどうぞ。良書です。



2014年1月15日水曜日

グーグルのネスト・ラボ買収が意味すること

 グーグルがネスト・ラボを買収を発表しました。
 買収額はなんと32億ドル。およそ3300億円です。ネストは従業員が300人足らずの会社ですから、従業員一人当たり10億円の価値があると判断された訳です。

 ネスト・ラボは4年前にiPodの生みの親、トニー・フェダルによって生み出された会社です。この会社、現在のところ火災報知器とサーモスタット(温度調節器)を発売しています。この2つの製品のユニークなところ、それはどちらとも自動学習機能を備えている点なのです。

  ネスト・ラボのサーモスタットをしばらく使うと、室温の設定パターンを学習し、勝手に温度調節をしてくれるようになります。また内蔵センサーによって人がいるかどうかを判断し、留守中には冷暖房を自動的にオフにしてくれます。iOS/アンドロイドのアプリケーションからも操作可能な上、エネルギー消費量までグラフでモニター可能なのです。こちらが紹介ビデオ。面白いです。(長いプレイリストなので抵当に途中でやめてください)


 火災報知器に至ってはWIFIを内蔵し、各部屋の火災報知器同士で通信するのです。そして単にピーピーと非常音を鳴らすのではなく、どの部屋で煙が感知されたのかも教えてくれる上、緊急時とそうでない時は違った方法お知らせしてくれます。



家を「賢く」する
 トニーは自身のブログでネスト・ラボ設立の理由を「家に意識を与える」と説明しています。「家を『賢く』し、こまごまとしたことは全部やってもらう。人間は、人間にしかできないことに集中できるように」、と。

 今後どのような製品が出てくるのか分かりませんが、例えばセキュリティ・システム、加湿器、除湿器、照明などなど、さまざまなものが自動学習機能でどこまでも賢くなりそうです。そのうちに家に帰ると勝手に照明が付き、温度も湿度も自動的に調節してくれるようになるでしょう。

そういえばクルマも賢くなる
 そうそう、グーグルと言えば自動運転車です。しかし、あんなものスゴいクルマを早々とデモしてしまったばっかりに、どの自動車メーカーもビビってしまってグーグルと組もうとしません。今のところアウディとフォードはグーグルと組む予定のようです。他社はアップルと組むようですが、自動運転はおそらく目と鼻の先ですから、グーグルと組むほうが実は賢いかも知れません。

 いずれにせよ、早晩クルマは自動運転となり、僕らは車の中でもビデオを見たりゲームをしたりして遊べるようになるでしょう。こうして検索もグーグル、家もグーグル、車内もグーグルと、グーグルに見守られて暮らすようになるのだろうと思います。

人間はなにをするのか?
 こうしてすべての煩わしいことから解放された人間は、いったい何をすればいいのでしょうか?

 トニーの言う通り、人間は人間にしかできないことをするのです。

 匿名で人を罵倒したり、エロビデオを観まくったり、自己満足のブログを書いたりと、やることは沢山あります。たまには勉強したり、スポーツをしたり、クリエイティブなことをしたり、世のため人のためになることをしてもいいかも知れません。時間の使い方は僕ら自身が決めることです。

 いずれにせよ、何をしているのかはすべてグーグル様に筒抜けになります。グーグル様はそうやって得た情報を元に、僕らの生活をより快適にしてくれるでしょう。そうやって快適になった環境で、

平々凡々な僕らはいったい何をして生きればいいのか? 

 それはテクノロジーに支えられて生きる、僕らの新しい悩みかも知れません。

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2014年1月5日日曜日

10年後の仕事のカタチ

 僕がまだ高校3年生だった1984年。
 当時はまだコンピュータなんて企業や大学の研究所くらいにしか存在せず、高校にはマニアの先生が自腹で買ったマイコンが一台あるだけ、なんて感じだったのです。世間では「やがてコンピュータの時代がくる!」なんて言われていたようですが、「???」って感じでした。コンピュータってロケットの打ち上げか何かに使うもの、というイメージでしたから無理もありません。

 まだアルビン・トフラーの「第3の波」も堺屋太一の「知価革命」も発売されておらず、「コンピュータの時代」が一体どんな時代になるのかなんて、だ〜れにも分からなかったのです。

 僕自身、勉強したいことも、はたまたどんな大人になりたいのかもサッパリ分かりませんでした。戦中に青春を過ごした父は、「文系はすぐに兵隊に取られるからダメだ。なんでもいいから理系に行け」と二言目には繰り返しましたが、アドバイスがアバウト過ぎてどうしていいものやらサッパリ分かりませんでした。物理も化学も大の苦手で、理系に進むのはなんだかしんどそうでヤなこった、って感じだったのです。

 それから10年後の1994年、僕はアップルコンピュータで働き始めるわけですが、すべては偶然の産物です。先見の明があったわけでも何でもありません。ただそれでも、父親を含む何人かの大人に言われた2つのアドバイスは実に有効でした。

「英語を憶えろ」
「理系の学問を学べ」

 この二つのアドバイスを耳にすることがなかったら、僕の人生は随分と違ったものになっていたのではないかと思います。それじゃ一石二鳥とアメリカの大学でコンピュータを勉強することがなかったら、多分アップルで働くことなんてなかったでしょう。人生を変えてくれた、本当に貴重なアドバイスでした。

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 多分この二つのアドバイスはいまでもかなり有効です。でも多分、他にもいろんなヒントやアドバイスがあるはずです。昨年5月に大石哲之さんと共同講演をした際に、現在のシリコンバレーとアジア新興国からの目線で、僕達の10年後の仕事のゆくえについてお話させて頂きました。その時の講演内容をベースに、今回大石さんと一緒に書き上げたのがこの1冊です。

 今高校生や大学生をやっている若者や、就職数年目で今後の進路に迷っている若者たちに読んでもらえたらな、って思っています。

 はたまた自分の子供や教え子への進路のアドバイスに困っている人にとっても、役に立つかも知れません。

 考える糧になってくれれば嬉しいな〜〜〜! 是非お楽しみください!



2014年1月2日木曜日

ソニーのリストラはなんかオカシイ

明けましておめでとうございます。

今日はまだアメリカは元旦です。あと20分ぐらいで1月2日ですね。

さて、元旦早々余りにショッキングな記事を読んだので紹介しましょう。

ソニー、追加リストラ 国内5工場、電機事業不振で

以下、一部抜粋。
 早期退職の募集期間は1月6日から3月末まで。40歳以上、勤続10年以上の社員が対象で、中堅社員や管理職にあたる。「電機事業には今の人員規模を支えられるだけの需要がないため、適切な事業規模にする必要がある」(ソニー幹部)としている。
 人を減らす目標や枠は特に設けていないという。募集に応じた社員には退職加算金を支払い、再就職支援会社を紹介する。

 これマジですか?

 ごめんなさい、ソニーさん。でも開いた口が塞がりません。

 これ、いくつかの点で著しく間違っています。

1)なぜ未だに国内工場?
 まず、なんで2014年にもなって、国内に5つも工場があるんでしょう? 合理化ってダイエットみたいなものですから、病気(業績悪化)になってからやるもんじゃないでしょう。どうして元気なうちに工場を移転しなかったのか? あり得ない。

2)なぜ規模が設定されていないの?
 期限が長過ぎる。3ヶ月間、社員の士気が下がり続けます。その上目標が定めてないって………。俺がソニーの投資家ならこう考えるでしょう。

「ソニーはどのくらいのリストラが必要なのかさえ分かっていない」

と。そしてこの3ヶ月間、業績が下がり続けるでしょう。リストラなんて外科手術と同じです。短ければ短いほどいい。まったく意味不明過ぎます。

 リストラの目標さえ立てられないようでは、リストラしたほうがいいのは工員じゃなくて、経営陣なのでは?

3)希望退職?
 希望退職に飛びつくのは、仕事がデキるヤツと相場が決まっています。傾いた船から飛び降りれるヤツは、泳げるヤツなんです。泳げないヤツが残る上に、ぐんぐんと指揮下がり続けるんです。

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 なんだが元旦からイヤなニュース見ちゃったな。

 今日アップした別の記事にも書いたけど、すべてをもっとシンプルにしましょうよ。まずはそこからだと思う。

 でもどうかな? まだズルズル堕ちる気がするな。

踏ん張れソニー!!

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宣伝:
そういえばアップルもアメリオ時代に2回のリストラやって、ものすごく士気が下がって優秀な社員逃げまくりでした。先の見えないリストラ、ホントにダメです。この頃の様子も含め、色々書いた本です。よろしかったらどうぞ。

頑張れパナソニック!

 12年ぶりに固定電話を新調した。これまで使っていたヤツはFAX 付きのヤツでそれなりに重宝したんだけど、もうFAX を使うこともなくなり、場所ふさぎなので今回のヤツは子機2台のコードレス電話に変更。

 固定電話そのものを失くすことも検討したけど、仕事の電話番号もこれだったりするので、取りあえずはそのままとした。そして、買ったのがパナソニック製のこれ。


こんな感じです。


 軽いし、ボタン類も少なく、Amazonのレビューもよし!ですぐに購入。Link-to-cell という機能があって、自分のケータイと電話機をBluetooth でリンクできる。すると携帯電話にかかってきた電話を、固定電話で受けることもできるし、ケータイの住所録をそのまま電話機に移すこともできる。

「なかなかやるじゃないですか、パナソニックさん!!」という感じだったのです。

いざセットアップ
 箱から出してセットアップ開始。ん〜〜。いいじゃないですか!


いきなり幻滅したのがこのマニュアル。




 結果的には、電話のリンクも住所録の転送も比較的簡単だったんです。でもマニュアル抜きでは絶対に不可能だった。そしてこのマニュアル、俺みたいな老眼にはあまりにも字が小さ過ぎ。

もっと工夫の余地があるだろ!
 そもそも、なんでマニュアルが必要な製品をいまだに作るかな?

 一度Bluetooth で繋いだら、あとの設定は全部スマホかパソコンのアプリからやれるようにすればいいのに。

 固定電話の留守録もケータイからアクセスできるようにすればいいのに。

 それから、日本語表示できるようにしようよ。スマホなんて20カ国語ぐらい普通に対応している。なぜ固定電話でもやらないかな? そんなにコストがかかるとも思えず。そして、ワールドワイドで同じモデルを売ればいい。各国向けのモデルなんて作る必要がないよ。

このLink-to-cell だけで21機種もある。

そんなに要らない。

せいぜい5でいいって。

すべてのことを、もっともっとシンプルに、簡単に。

それがパナソニックに限らず、日本のメーカーがやるべきことだと思う。

頑張れパナソニック!