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Brighture English Academy 代表。趣味はウクレレとかハイキングとかDIYとか旅行などなど。在米20年。シリコンバレーに住みつつ、日本とアメリカとフィリピンで会社経営しています。最近は英語教育がライフワークになりつつある。

2013年5月28日火曜日

住むには最高の国、日本

久しぶりに日本に帰って感じ入ったこと、それは日本の素晴らしさです。

偉いぞ日本のサービス

時間通りに走ってくる電車。清潔なタクシー。コンビニやファミレスですら丁寧な対応。「マニュアルに沿っているだけだ」と揶揄する人も沢山いますが、外国でファミレスやコンビニに行ってみると、日本の「マニュアルに沿っているだけ」のサービスが、一体どれだけ素晴らしいのか骨身に沁みるものです。

 例えばタクシー。私は帰国途中、サンフランシスコから電車に乗ってサニーベールというところまでやってきて、そこからタクシーに乗って自宅に戻りました。タクシーに乗っていた時間は正味15分程度です。その間、ダニに食われました。

 はい。そうです。ダニですよダニ。首や腕など、肌が露出していたところが何カ所も食われていました。

 数日後にボストンに行き、今朝早くホテルからタクシーに乗って空港に向かいましたが、タクシーの料金メーターは壊れている上にタバコ臭い車内でした。挙げ句の果てに前を走っていたクルマに追突しそうになって急ブレーキ。しかし謝罪の言葉はゼロ。まあダニに食われなかっただけ良しとしましょう。

外国のタクシーに乗ってみよう

日本のタクシーは天国仕様かと思うほどの素晴らしさです。タクシーの運転手さんに暴力を振るう方もいるとかで車内に監視カメラが設置されていましたが、日本のタクシーの運転手に腹が立つような心の狭い人は、是非アジア諸国やアメリカのタクシーに乗ってぼったくられたり、ダニに食われたりしてみて欲しいと思います。

 ゴミだって落ちていないし街ゆく人はこぎれいに着飾っており、見知らぬ人に殴られたり、iPhoneをひったくられたりする心配がありません。また一体どこが不況なのかと思うほどビルの建設などが行われており、夜遅くまでネオンサインが消えない国、それが日本です。

住むには最高の国

日本はおかしなところ、マズいところも確かに沢山あります。

今回一緒に講演をした森山さんがいみじくも

「日本は住むには最高の国、働くには最低の国」

と喝破しましたが、これには同意せざるを得ません。

 働くのがどんなふうに最低なのかはまたの機会に譲りますが、この「住むには最高」の部分、安易に失うべきではないでしょう。ただこの「住むには最高」が多く人の長時間労働やサービス残業によって支えてられているようでは困るわけです。

 日本が考えていくべきところは、どうやったら「働くには最低の国」から脱っし、「働くのも最高の国」にしていけるのかではないでしょうか?

色々と考えさせられる一時帰国でした。



体操着の名前はなんなんだ?〜『日本が世界一「貧しい」国である件について』を読んで

 私は人生の1/3ほどを米国で過ごしてきました。最初に住んだ時には高校から大学卒業までの5年間。すっかりアメリカに染まって日本に帰りました。

 自分でも染まっていた自覚もあったので、ここはコテコテの日本企業に就職して、どっぷりと日本に染まろう、ってなことを考え、日本に帰ると老舗のメーカーに就職しました。

 結果は実に無惨なもので、就職して半年も経たないうちに神経性の胃炎に悩まされるようになったのです。それから我慢に我慢を重ねて勤め続け、就職からやっと3年経つか経たないかで結局会社をヤメてしまいました。

 それから派遣社員を経てアップルに就職。外資は実に働きやすい環境で、「初めから外資系で働けば良かった……。」としみじみ思ったのを昨日のことのように思い出します。

 一体日本企業の何がそんなにイヤだったのか……。そんな部分をエグるように思い出させてくれたのが『日本が世界一「貧しい」国である件について』という一冊です。著者、出版社の方に献本御礼申し上げます。

 この本に書いてある内容、私にとっては別に目新しことは何一つなかったのですが、だからこそ思わず「んだんだ!」と相づちを打ちながらあっという間に読めてしまう1冊でした。

特に日本で遭遇する数々の意味不明な行事や規則……読んでいて日本の中学や高校、そして短いサラリーマン時代を鮮明に思い出しました。私たちが普通に「当たり前」だと思っているルールの中には、実には日本だけにしか存在しない、かなり奇妙なルールや慣習、実に沢山あるのです。


 例えば日本の学校ってなんでも持ち物をに名前を書かされます。体操着には名前を縫い付けるように言われたりして、まるで囚人のように胸にデカデカとクラスと名前を書き込みます。

 まあこれ、先生が便利なの、わからなくもないんです。でも一体なんでしょうね? こんなことしている国、多分あんまりありません。私はアメリカしかわかりませんが、私が行ったアメリカの高校はそもそも体操着さえなく、銘々が勝手なTシャツなどを授業に参加でした。他国の留学生からこんな話は聞いたことがありませんし、「Gym Shirt」でイメージ検索しても名前が縫い付けてある体操着なんて日本の以外は出てきません。

 実は一事が万事この調子なのです。学活もなければ終わりの会もなし。学校に着いたと思ったらすぐ授業です。ノート提出なんていう奇妙な宿題(?)もありませんでした。そもそもノートを取ろうが取るまいが個人の自由です。服装検査とか持ち物検査とか一度もありませんでした。授業の際に座る席さえも決まっておらず、大学のように銘々が好きな場所に座っていました。

 こんな些細なことから雇用の在り方に至るまで、日本は色々なことが決められており、それらのルールに懸命に沿うだけでクタクタに疲れてしまう、実に息苦しい社会だったりします。その辺りを上手に切り出して説明してくれる一冊が、この『日本が世界一「貧しい」国である件について』です。

日常を不条理だと思う方、おすすめです。是非ご一読あれ。






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2013年5月5日日曜日

アメリカと銃〜My First Rifle

 アメリカのケンタッキー州で4月30日に、5歳児が誤ってライフルを発砲し、2歳の妹を撃ち殺してしまうという信じられないような事件が起きました。母親がほんのちょっと眼を離したスキの出来事ということです。

銃の扱いは「ライフスキル」
 このニュースの仰天なところがここからです。まず警察からのコメント。

「目を離したすきに起きたあっという間の出来事。この地域では5歳児が銃を持っているのは珍しくない。親が子どもに銃を譲り与えることがある」

 このライフル、22口径の単発式のもので、少年は5歳の誕生日のプレゼント(!)ととしてこのライフルを貰ったそうです。

 5歳って自転車の乗り方とか読み書きなど、人生を歩んでいくのに必要不可欠なライフスキルを身に付ける時期だと思うのですが、銃の扱い方がそのひとつに位置づけられていることへの驚き。

そうそう、5歳児が買ってもらったライフルのコマーシャルはコチラです。



 銃はどこにでもある
 私はこの事件があったすぐ隣の州に5年ほど住んでいたことがあります。本当にどの家にも銃があります。むしろ銃がない家を探すほうが難しいでしょう。シリコンバレーだって同じこと。中西部の田舎よりは少ないですが、それでも射撃場はいつも混んでいて、銃砲店も賑わっています。

 私が住んでいるシリコンバレーは全米の中でももっと安全なエリアのひとつですが、それでも時々銃犯罪が起きます。スティーブジョブズが亡くなった日には職場で銃を乱射した男が武器を持ったまま逃走。途中で全く無関係のHPの社員が撃たれました。町中の学校やお店がすべて閉鎖となり、異様な雰囲気でした。逃走犯は翌日に射殺。私はたまたまこの犯人を射殺した警察官の表彰式に出席する機会があったのですが、まだ20代の婦人警官でした。優しげな面持ちの金髪の美人警官が逃走した犯人を撃ち殺したことがどうも頭の中でリンクせず、奇妙な感じでした。

 数年前には解雇を逆恨みした男が会社の上司と人事部の人を撃ち殺し、ピストル自殺するという事件もありました。また帰宅時に自宅で泥棒に遭遇し、銃を突きつけられてなにも出来なかった日本人の話も聞いたことがあります。

持つか持たないか?
 日本から比べればずっと多い強盗の件数、あるいは強盗がほぼ100パーセント銃武装している現実を考えると、一丁ぐらい銃があってもいいかな? と思う時がないわけではありません。こうした話をアメリカ人の友人たちと話すと、従軍経験者はほぼ全員口を揃えて「買うなら45口径を買え」と言います。そうすればドアごと強盗を撃ち抜ける、というわけです。そこまでじゃなくても一丁ぐらいは持っていてもいいと考えるのはごく普通の感覚ですし、実際射撃場に行けばカップルや家族連れで来ている人が沢山います。

 私は銃を所有したことも、今後するつもりもありませんが、犯罪者も含めほぼすべての人が銃を所有していること現実を踏まえてみると、銃というものがどんなものなのか知っておくのは悪くないと考え、数年前から時々射撃場に銃を撃ちに行っています。けっこうキチンと的に当てるの、難しいものです。

子供用、女性用
 今回の報道を聞いて、子供向けの銃が販売されていることに衝撃を受けた人も少なからずいるのではないのでしょうか? 子供用の他、女性用と銘を打ったピンク色の銃なども販売されています。



ほら、これなんかかわいいですよ。ハンドバッグにぴったりと収まるサイズです。



感覚的にはスマホのデコカバーとあまり変わらない気がします。ピンクやらラメ入りやら色々。そのうちハローキティとかも出てくるかもしれません。

なぜそこまで銃を持ちたがるのか?
 なぜここまで銃が普及しているのか? その要因は色々あるでしょう。全米ライフル協会の政治力、銃を持つ権利が憲法で保証されているなどなど、すぐに幾つかの理由が頭に浮かびます。

 ですがおそらく根本的な理由。それはアメリカ人がその血に持つ「恐怖心」の裏返しではないかと思います。

 アメリカは建国以来、信じられないほど沢山の戦争をしてきました。建国以来の235年のうち、何と214年は戦争をしている国、それがアメリカという国です。国土そのものもインディアンから取り上げたものですし、その後も戦争を繰り返しては国土を拡張してきました。そうやって建国していったことに対する原罪のようなものに対する恐れ、それが銃の所有という形で現れているような気がします。





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2013年5月4日土曜日

海外移住は総力戦〜「グローバル転職ガイド」を読んで

 海外に移住する人、増え続けています。

 2012年の10月1日の時点で、海外在留邦人の数はなんと1,18万人にも達しています。およそ100人に1人が海外に居住する時代となったのです。118万人というと広島市の117万人とほぼ同等です。広島市の住人が丸ごと全員海外に移ってしまった、と考えてみるとその規模がなんとなくお分かり頂けるかもしれません。

 震災をキッカケに移住を決意した人も多いのではないでしょうか? 2011年から2012年の1年間で移住者が4万人近く増えているのです。では移住先はどこなのでしょか? 一番伸びているのはアジアで、6パーセント以上もの増加です。

少子高齢化や人口減少に伴い、日本市場は縮小する一方ですから、この移住ラッシュも別段不思議ではないでしょう。現在海外移住を考えている人は沢山いるでしょうし、おそらく今後もずっと増え続けるでしょう。

 海外移住と言えばまず「語学力」を思い浮かべる人も多いのではないかと思います。私自身もそうでしたし、なにはともあれ言葉ができないことにはどうしようもないのは厳然たる事実です。

 でも海外移住ってもっと「総力戦」なんです。持てるチカラをすべて出さないと、海外で己の活路を拓いていくことはできません。仕事、子育て、子どもの教育、老後の準備……。住み慣れた日本でやったって大変なことを海外でやるのですから、総力を出さないとなかなかウマいこと行くはずないのです。

 ですから海外を志すのならば、一度自分のスキルの棚卸してみることを強くお勧めします。敵を知り己を知るものは百戦危うからず、です。己を知らなくては努力するポイントさえ分かりません。自分の売りになるスキルはなんなんだろうか? 新しい環境に対応できるのだろうか? こうした問いかけに真摯に、そして客観的に応えていく必要があります。

 体力、精神力。語学力、技能、環境適応能力。日本食がないとダメな人なのか? 友達を作るのは得意か? 自分の持つ「総力」を棚卸しして、どんなスキルを組み合わせれば、どんなところに移住や転職が可能なのか、あるいはどんなところを強化すればいいのか、段々と見えてくるのではないかと思います。

 具体的なスキルの掛け合わせや移住先を詳しく説明してくれるのが。大石哲之氏と森山たつを氏共著の「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」です。(著者さま、ならびに出版社のみなさま、献本御礼申し上げます)

 この本の良いところ、それは移住先の選択肢を地域別、仕事の種類別、あるいはスキルのレベルに応じて提示してくれる点です。具体的な移住先がまだ決まっていない方は、本書を読んだ上でトコトン情報収集したうえで、実際に行ってみることを強くお勧めします。特に家族持ちの方は家族連れで現地に行ってみることをお勧めします。私も移住の際にはそうしましたし、家族連れで下見して本当に良かったと思っています。

 現在海外移住を漠然と考えている方にはぜひ読んでほしい一冊です。漠然としていたイメージにはっきりとした色彩が付いていくでしょう。現地での生活部分には踏み込んでいませんが、海外転職のイメージはそうとう具体的にハッキリと湧くでしょう。良心的な海外転職ガイドです。お勧めします。


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